こんにちは!ブダペスト在住Webデザイナーのみほこです。
先週末は、“ビーダーマイヤー -Lifestyle- 展”を見にハンガリー国立美術館に行ってきました。
ビーダーマイヤーって、初めて聞く方も多いと思います。私も知らなかった。
ビーダーマイヤー(独: Biedermeier)とは、19世紀前半のドイツやオーストリアを中心に、もっと身近で日常的なものに目を向けようとして生まれた市民文化の形態の総称。示す概念によってビーダーマイヤー様式、ビーダーマイヤー文学、ビーダーマイヤー時代などのようにあらわす。文脈によっては小市民と同義で使われる。ビーダーマイアーとも表記される。
調べたところ、「ビーダーマイヤー」はインテリアが有名なようですが、美術様式に限らず生活スタイルそのものを指すようです。
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展示会内は特徴的なパターンの幾つものデザインの壁紙を使用していたのも印象的でした。くっきりとした幾何学に近いパターンで、1700年代のロココ調のデザインに比べるとモダンな感じです。
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ビーダーマイヤー様式の特徴は、シンプルで控えめなデザインが主流であり、通常の木材や彫刻、そして素材自体の美しさに焦点を当てています。高度な装飾よりも素朴で使いやすいデザインが重視されています。このスタイルの家具は、豊かな木材と緻密な彫刻によって芸術的な価値を実用的に融合させ、品位ある雰囲気を醸し出します。
割とどの文献を見ても、「シンプルで・控えめ・簡素」と書いてあるのですが、現代のインテリアに比べると十分デコラティブ。木を使用した美しい曲線の家具も特徴的なのですが、上品でお高そうな感じです。
ビーダーマイヤーの時代の前、18世紀の流行様式の一つがロココ調ですが、確かにロココ調と比べると簡素なのかも。
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日常生活で使われているアイテムもいくつも展示されていました。
ハンガリーのトランプのデザインはちょっとびっくり!昔のものだからデザインが違うのかなと思ったら、うちの彼曰く今でもこのデザインだそうです。日本で買えるものと全然違いますね。
現代のデザイン↓
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アマゾンにもありました!→ https://amzn.asia/d/g4iV08U
ちょっと話がずれましたが・・・
生活そのものを大事にする、身近なものを大事にする、というのはまさに今の時代にもぴったりの考えなのではないでしょうか。
リサーチをする中で、ビーダーマイヤーはスカンジナビアデザイン(北欧デザイン)にも影響を与えたと言う人もいました。
確かに、北欧デザインといえば、木を使用したナチュラルな家具が特徴的です。幾何学的なパターンなんかも。
インテリアのオンライン マガジンGlam Padは投稿記事「The Elegant Resurgence of Biedermeier Furniture」の中でこう語っています。
今日、その復活は完全に理にかなっています。若い世代が自分の家を建て始め、高品質の家具に惹かれるにつれて、ビーダーマイヤーの精神とスタイルは現代にシームレスに溶け込んでいます。きれいな曲線、光沢のある仕上げ、幾何学的な骨組みを使い、男性的と女性的の境界線をうまく踏襲した、エレガントでありながら親しみやすいデザインです。
流行の北欧デザインは好きですが、ちょっと物足りなくなってきたかな?と感じてる今日この頃。ビーダーマイヤーのテイストを入れてみるとまた新鮮になるかもしれません!
最後に、今回の展示会の中で一番好きだった絵を。
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最後に、今回の展示会の中で一番好きだった絵を。
「Girls after the Ball」、舞踏会の後の少女たち。ブダペストの画家József Borsosの作品です。可愛い絵!