ハンガリー花嫁展の華麗なドレスたちと女性の生き方

ハンガリー花嫁展の華麗なドレスたちと女性の生き方

こんにちは!ブダペスト在住Webデザイナーのみほこです。

ちょっと美術館づいてきましたので、今日は今年のはじめに行ったハンガリー国立博物館のハンガリー花嫁展のお話をしてみようかなと思います。

ウェディングドレスはもちろんヨーロッパが本場。最近のものは目にすることも多いものの、ヨーロッパの伝統的なウェディングドレスはそういえば見る機会ってあんまりありません。

ハンガリー人の友人に誘われて女子3人で楽しみに見に行ってきました。

展示会のオープニングでは、おばあちゃんがハンガリーの伝統的な刺繍をするシーンの動画が流されていました。
伝統刺繍は地方でいくつか異なるものがあり、これはカロチャ地方のカロチャ刺繍かな。動画の最後の方の、鳥のイラストのチェストは、ホッロースタイルのトールペイントだと思います。花嫁道具をこういったチェストに入れてたのかも。

鳥のペイントではないですが、刺繍と似たようなパターンのトールペイントがされたチェストが展示されていました。これは本当に結婚道具として使われていたものだそう。VARGAとSARAという二人のカップルの名前と、結婚した年が描かれています。

さて、肝心のドレスですが、クラシックなものから順番に展示されていました。

まさにウェディングドレス!なデザイン。1867年に高級ドレス展で購入されたもの。
メアリー女王のシルクダマスク織のウェディングドレス、1521年。
17世紀半ばのもの。イタリアのベルベット、ハンガリーの仕立てと刺繍。

ザ・ドレスなデザインにうっとりです。昔はウェディングドレスは必ずしも白ではなかったんですね。いつから白をメインに着用するようになったのでしょうか。
それにしてもウェストが細すぎでは・・

次の展示室では、少し最近のものが展示されていました。おそらくここ150年ほどのもの。このあたりからほぼ白のドレス一色となっていますね。

ハンガリーの伝統刺繍が施されたドレスでしょうか。
白一色の刺繍がノーブルなドレス。より現代っぽいデザイン。

さらに先に進むと、現在のドレスたちが現れます。

ハンガリーの結婚式は夜通し行われるんですが、新婦は夜中に赤のドレスに着替えるのだそう。これはハンガリー人の私の彼曰く純潔からのお別れという意味もあるのだとか・・・
日本のお色直しのドレスというものも実はここからきているのでしょうか?

新婦が真夜中に着替えるためのドレスたち。
伝統的なデザインをミックスさせた最近のウェディングドレス。

実はこの展示会のテーマは、単に美しいドレスを見せるものではなく、女性が歴史的にどういった結婚をしてきたか、というストーリーが含まれます。
ドレスの傍に、実際にドレスを着たカップルの写真や、そのカップルのストーリーが添えられていました。

結婚が政治的、経済的に重要な決定であったこと、女性としての役割を全うするためのものだったこと、その役割も歴史とともに変わってきたことなど、
結婚から垣間見れる女性の生き方をテーマにされていたものでした。

この展示会をきっかけに、オンライン結婚式データベースなるものも作られたようで、ハンガリーの過去〜現代の結婚式の様子をギャラリーで見ることができます。

Magyar Menyasszony(ハンガリーの花嫁):https://magyarmenyasszony.hu/

女性にとってウェディングドレスは憧れでもあり決断の象徴でもありますね。美しいドレスを眺めながらも、結婚とはなんだろうなと改めて考えてみたりもして。なかなかに深い時間となったのでした。

それでは、また!