なぜ“ディレクション”がないデザインは成果につながらないのか

こんにちは!ブダペスト在住Webデザイナー美保子です。

「Webサイトのデザインを新しくしたのに、思ったような反応がなかった」
「Webサイトの見た目は素敵なのに、問い合わせにつながらない」

Web制作の現場では、そんな声をよく耳にします。
原因はさまざまですが、意外と多いのが、
“ディレクション(方向性の設計)”がないまま制作が始まってしまっていることじゃないかなと思います。

この記事は、こんな方のために書きました

• Webサイトをリニューアルしても成果につながらなかった方
• 「デザイン会社に頼んだけど、思っていた仕上がりと違った」と感じた方
• SNSやWebのトーンがバラバラで、ブランドの方向性に迷っている方
• 自分の“世界観”を言葉にできず、発信に一貫性を持たせたい方
• 「デザインをお願いする前に、まず何を考えたらいいの?」と感じている方

ディレクションとは、「目的への道筋をデザインすること」

「デザイン」という言葉は、しばしば“見た目を整えること”と捉えられがちです。
しかし本来の意味は、「目的を達成するための設計」

たとえば、どんなに美しいサイトでも、
「誰に」「何を」「どんな印象で」伝えるのかが定まっていなければ、
そのデザインは単なる“飾り”に終わってしまいます。

ディレクションとは、デザインが“目的に向かって正しく機能するように導く”ためのプロセスです。
つまり、デザインの“前工程”こそが、成果を左右する最も重要なステップなのです。

デザイナーとディレクターの違い

デザイナーは「形にする人」。
ディレクターは「なぜそれを形にするのか」を考える人。

色やフォント、レイアウトを決めるだけでなく、その裏にある意図を整理し、全体の方向性を決めるのがディレクションの役割です。

ディレクションとは、“デザインの設計図”を描くこと。

この設計図があることで、デザインのクオリティは安定し、チーム全体が同じ方向を向いて進めるようになります。

中小企業・個人ブランドこそ、ディレクションが鍵に

大企業にはブランドマネージャーやマーケターが存在し、
デザインや発信の方向性を統括しています。

一方で、個人や小規模ブランドでは、その役割を担う人がいないことが多く、
結果として以下のような課題が生じます。

・SNSやWebサイトのトーンが統一されていない
・ロゴや写真の印象がバラバラで、一貫性がない
・デザインを外注しても、「ブランドの軸」が定まらない

このような状態では、どれだけデザインを整えてもブランドが育ちにくくなります。

だからこそ、外部ディレクターの存在がブランドの成長を支える鍵となります。
第三者の視点からブランドの魅力を言語化し、
「誰に、どんな価値をどう伝えるか」を明確にする。

それが、戦略的なデザインへとつながっていきます。

Design studio M. のディレクションスタイル

Design studio M. では、制作の最初に「話す」ことを何よりも大切にしています。
デザインを作る前に、言葉を見つける。
「何を伝えたいのか」「どんな印象を残したいのか」
その本質を丁寧に掘り下げていきます。

そこから導き出した言葉をもとに、
構造・導線・コピー・ビジュアルを一貫して設計する。
このプロセスが、“世界観を形にするデザイン”につながります。

デザインを「作る」ではなく、「導く」。
その過程こそが、美しさと成果を両立させる最大のポイントだと考えています。

デザインの価値を決めるのは“方向性”

デザインの美しさは、偶然では生まれません。
正しい方向性のもとに、意図を持って組み立てられたものだけが、
人の心を動かし、ビジネスを前進させます。

ディレクションとは、デザインの根っこを育てること。
その根がしっかりしていれば、
どんな枝葉(ビジュアル)も自然と美しく伸びていきます。

それでは、また!

この記事を書いた人

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この記事を書いた人

Mihoko Takata

Design studio M. オーナー | Webディレクター兼デザイナー | Webデザイナー18年目 | 日本ノーコードウェブ制作推進委員会理事