でも、デザインでしか伝わらないことがある

でも、デザインでしか伝わらないことがある

先日たまたまXで見かけたデザイナーのトミナガハルキさんのポスト、

「独立して気づいたのは、デザイナーが思っている以上に世の中はデザインを必要としていない。でも『なんか見づらいんだよな』とか『伝わらないんだよな』っていう困りごとは大量にある」
だからデザインという言葉を使わずに、その困りごとを解決する人として入っていく方が仕事は生まれやすい……というようなお話でした。

それを見て、やっぱり「デザイナー」っていう肩書きは、日本だと難しいなと改めて思ったんですよね。

「意匠」としてのデザイン、戦略としてのデザイン

日本でデザインと言うと、どうしても「意匠」……
洋服の衣装じゃなくて、見た目の方ですね。

見た目を作る人、おしゃれにする人、という感覚の人が多い。
本当はもっと戦略的にデザインを活用して作っていく方が本来の意味に近いんですけれど、肩書きだけだと「デザインで何をするのか」が全く伝わらないのが今の日本の現状なのかな、と。
私も「ウェブデザイナー」と名乗ってはいますが、他の方には本当の意味では伝わっていないんだろうな、という不安は日々感じています。

今回事務所のサイトをリニューアルする際も、どういうキーワードでアピールしようか悩みました。

「伴走」や「寄り添い」といった言葉は、耳当たりはいいけれど、どこか「ぼんやり」している。
もっとコンサルっぽい言葉に寄せていくと、今度はなんだか中途半端でチープな感じがしてしまう。コンサル臭のするデザイナーっていうのも嫌だし、かといって戦略を考えていないわけでもない。

「寄り添い」と言えば気持ちはわかってくれるかもしれないけれど、じゃあビジネスにどれだけ影響を与えてくれるのか。そう考えると、言葉だけで伝えるのはすごく難しいなと感じるんです。

デザインという「情報量」で引き付ける

そこで出した今の私の最適解は、やっぱり「デザインで押す」ことでした。
今回のサイトリニューアルも、ゴタゴタ書くより「デザインでぐっと引き付ける」ことをテーマに作りました。

やっぱりファーストインプレッションって、すごく大事だと思っていて。
デザイナーの事務所なんだから、見た時に「おおっ」となる。多くは語らないけれど、「ここなら何とかしてくれそう」という、お客さんの感性や感覚のところにアピールしたいんです。
言葉の前に、デザインから何かを感じ取ってもらう。その方が早い、という部分は絶対にある。そこをきちんとデザインしていくのが大事なのかなと思っています。

「一目惚れ」とデザイナーの仕事

話はそれますけれど、統計的に「一目惚れで結婚した方が別れにくい」なんて話もありますよね。
人間の勘ってバカにできなくて、最初に出会った瞬間に、匂いや仕草、フィーリングといった膨大な情報を取っているんだと思います。

五感というか、感性にアピールするデザイン。

これって実は「AI対策」にもなると思っているんです。
AIが作ったデザインと、私がクライアントさんと密にコミュニケーションをとって、言葉で語れない情報まで盛り込んで作ったデザイン。
そこにある「伝わるものの量」は全然違うはずです。この感覚や感性というのは、AIが持っていないものだから。

それをデザインに乗せて作ることには、すごく意味がある。
ツールとしてAIをどう使うかという話よりも、「デザインはどうあるべきか」というところからさかのぼって、主体性を持って作っていくことが大事なんじゃないかな、と。

デザインで「察して」もらうということ

最後、オチはまあ、言葉にすると、これ、ちょっと日本っぽいかもしれない、って思いました。
結局、日本人もそんなに言葉で多く語らない、「察する」「察して」みたいな部分もあるので。

なので、「デザインで察して」みたいなことになるかもしれないし。
うん、なんか新しい、一歩踏み込んだデザインの定義が、なんか今生まれそうな……ちょっと予感がしたりとか、しなかったりとか(笑)。

そう、やっぱりデザインでしかできないことがあるわけですよ。
だから結局、デザイナーの仕事の説明って、言葉だけだとちょっと難しいですよね。
自分たちの事務所のウェブサイトをしっかりデザインして、そのデザインそのもので見せていく、感じ取ってもらう。それが一番いいのではないのでしょうか。

それでは、また!