飲食店はWebサイトを制作する必要はないのか

飲食店はWebサイトを制作する必要はないのか

こんにちは!ブダペスト在住Webデザイナーのみほこです。

今、ハンガリーのブダペストにある日本料理レストランのサインボードをデザインさせていただいております。

オーナーは日本人シェフの方。
こちらで事業を開始するにあたり、色々と相談をさせていただき、とても親身になってお話を聞いてくださって、
その流れでサインボードをデザインさせていただけることになりました。

色々とビジネスのお話をさせていただく中で質問されたのが、「飲食店ってホームページ必要ですか?」。

最近の飲食店はホームページがないところも多いですよね。
Instagramや食べログ、Google mapだけで十分といえば十分です。

その時の私の回答は、「なくてもいいと思います。」でした。

ただそれからしばらくは、「本当になくていいのかな」「あればメリットもあるのでは」というふうに、おりに触れ考えていました。

そして思い出したのがこの出来事。

私の地元には、「ステーキハウスろーいん」というとても美味しいステーキ屋さんがあります。
私が赤ちゃんの頃から両親と何度も訪れている、家族全員大好きなレストランです。

鉄板で出てくるお肉がとても柔らかくて、2種のソースもとても美味しい。
前菜のスープとサラダも他では味わえない味です。今でも帰省した時に時間があれば訪れるのですが、変わらぬ味で嬉しくなります。

そんな行きつけのお店なので、今更新しい情報を仕入れることもないのですが、ある日、私はどうしてもここのステーキが食べたかったのに、家族の都合が合わないという時があって。
田舎なので基本運転をしないと特定の場所に辿り着けません。まずは自力で行けるかどうかなんとなくGoogle mapで調べたんです。

場所はちょっと遠い、、と。
で、「Webサイト」にリンクがあったので、何気なしに見たんですよね。
あ、今はサイトもあるのか〜と。

そうすると、トップページに【テイクアウト始めました】とあるではないですか。
テイクアウトできるメニューもしっかり記載があります。

テイクアウトをピックアップするだけなら運転して行ってあげると家族に言われたので、その日も無事ステーキをゲット出来たのでした。

その後も美味しいステーキを食べながら、サイト内の情報を何気なしに見てみました。
そしたらですね、色々と自分の中の情報を更新出来たんです。

まず今のシェフについて知ることが出来た。創業者の息子さんだったと思います。どうも家族経営のお店みたいです。(というのも今久しぶりにWebサイトを見てみたらこの記載がなくなっていた。。)
このレストランがどういう思いで経営されてきたかを知ることが出来ました。
家族経営のレストランってなんかいいですよね。温かみがあって。

あとはお肉の種類ですね。いつも食べていた「ろーいんステーキ」というメニューのお肉がどんな種類のお肉でどの部位を使っているのか。
和牛だったんですよね、しかも鹿児島黒牛和牛だったとは。それでこのお値段か・・・とびっくりしました。

その他にも、ソースやスープはもちろんサラダのドレッシングがオリジナルだったり、それらが愛されすぎて通販されていたりということを知ることが出来ました。

ますますろーいん愛が高まり、これは帰省の際は必ず行かなければ、と思うようになりました。(今まではたまにしか行っていなかったんです。)

この出来事をふっと思い出して、これ、Webサイトがなかったらどうだったかな、と思ったんです。
Instagramでも同様の内容は掲載できるでしょう。

でもSNSの投稿って、なんとなく、古いものは、この情報は今でも有効かな?と思ってしまったりしませんか。
「今ポストされたもの」だけしか信頼できるものではない感じがすると思うんです。

あとは、そもそも昔の投稿をわざわざ見たりもあまりしないですよね。

その点、Webサイトは「今サイトに載っているもの」が全て最新の公式の情報のように感じる、といった利点があると思います。
(もちろん、感じるだけではなく、事実そうであるべきですが)
掲載できる量はInstagramの1ポストの比ではないですしね。

なお、Instagramは現在(2025年1月)、アカウントを持っていない人でもGoogle検索などで見つけるかURLを知っていればブラウザから見ることができますが、画像フィールドが途中までしか表示されませんので、全ての情報を見ることができません。ストーリーも見れません。

InstagramなどSNSだけをWebサイト代わりに使用していると、そのアカウントがない人にはリーチできませんので、その点も要注意でしょう。

確かに、飲食店のWebサイトは、「すぐに集客に繋がる」ものではないかもしれません。
でもこの出来事を踏まえ、「ファンを増やす」のには役に立つのではないかと思いました。

あとは、ケータリングなどBtoBの案内、貸切パーティなどの情報、求人、ウーバーイーツなどを介さないテイクアウト情報などを掲載したい場合は、Webサイトに掲載した方が効果が高いでしょう。

飲食店もリピーターを増やすことが大切だと思います。
Webサイトが必要かどうか、よりも、Webサイトを持つとしたらどういったメリットがあるかを考え、戦略として効果を得られそうなら使っていく、といった考えがベストなのではないでしょうか。

なお、今回の記事を書くために下調べをしておりましたら、PR TIMESに掲載されている飲食店のWeb活用についての記事を見つけましたので、こちらも参考になればと思いリンクを貼らせていただきます。

加速するグルメサイト離れ。「Google」利用率トップに。「食べログ敗訴は妥当」、飲食店で多数派
第3回「グルメサイトに関するユーザー&飲食店意識調査」株式会社TableCheck
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000023564.html

こちらには、飲食店は「Instagram」の集客効果を期待しながら、「公式ウェブサイト」をより多く活用するようになった。とありますね。

少し古い情報ですが、なかなか濃い内容なので、興味ある方は見ていただければさらに参考になるかなと思います。

それでは、また!

この記事を書いた人

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この記事を書いた人

Mihoko Takata

Design studio M. オーナー | Webディレクター兼デザイナー | Webデザイナー18年目 | 日本ノーコードウェブ制作推進委員会理事