デザインを問題解決の手段としてもっと経営に活用してほしい

こんにちは!ブダペスト在住Webデザイナーのみほこです。

先月から、ブダペストの寿司レストランとのお仕事で、何度かクライアントとmtgを重ねています。

先方のご希望で、まずはメニューブックのデザインをオーダーいただいたのですが、色々とヒアリングを進めるうちに、ちょっとした課題とその解決方法が私の方で浮かぶようになり、メニューブックの件と合わせていくつかご提案もさせていただきました。

飲食店の課題とは、やはりざっくり平たく言ってしまうともちろん集客なのですが、これを解決するには

1. 新規顧客を呼び込む
2. 既存客のリピートを促す
3. 単価を上げる

大きくこの3つが考えられるのですが、まず、実は2と3はメニューブックで少し解決できます。

というのも、今お使いのメニューブックはデザイナーでない方がエクセルで作られたもの。
それはいいのですが、掲載されている写真が分かりづらいものが多く、説明も足りない状態でした。

ここはヨーロッパ。洋食ならいいんです。
でも、日本食はここではまだまだ知られておらず、おそらくメニューを見てもなんだか分からないものばかりなのでしょう。

ある日プライベートでこちらのお寿司を食べに行った時、たまたま隣に座ったヨーロッパ系の女性2名が、メニューとスマートフォンを交互に見てずっと何やら話をしている模様でした。
握り寿司のメニューを見ていたので、おそらくは、魚の種類を調べているのでしょう。
メニューに写真、そしてきちんとした英語表記と、例えば食べた時の食感や味の説明があれば、そこまで迷わずオーダーできたのかなと思いました。

分からないから注文できなかった料理、というのもあると思います。
私も、ジョージア料理など自分にとってちょっと身近でない料理のレストランに行った際に、そこのメニューが文字だけで説明も足りないと、何を頼んでいいかわからなくなることも多いです。

でも綺麗で美味しそうな写真が掲載されていて、説明もしっかりとされており、どれも美味しそうで魅力的に見えたら?ついついあれこれと注文してしまいますよね。
あとは、メニューを見たらどれも魅力的だったけど、食べきれないから次回また来ようということもあるでしょう。

はい、もうお気づきの方も多いと思うのですが、メニューブックの改善で、

2. 既存客のリピートを促す
3. 単価を上げる

これらの解決が見込めることを理解されたと思います。

デザインは単なる視覚的な美しさを追求するものではなく、本質的には問題解決の手段となるものです。

例えば、
Webデザインなら、ユーザーの目的達成をスムーズにするための情報設計やナビゲーションを考える。
ブランディングデザインなら、ターゲット層に適切なメッセージを伝え、ブランドの価値を分かりやすく表現する。
• プロダクトデザインなら、ユーザーの使いやすさや機能性を最適化する。

つまり、デザインは「見た目を整える」ことではなく、「どうすれば目的を達成できるか」を考え、それを形にするプロセスですね。

今回のメニューブックのデザインの例でいうと、Webデザインと考え方が近いかなと思います。
顧客が何を考え求めているか考え、デザインでそれを叶え、顧客体験を上げていきます。そして顧客体験を上げるとそれは売上につながっていきます。

この本質を理解していただき、ぜひデザインをもっと経営に利用していただけたらと思います。

それでは、また!

この記事を書いた人

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Mihoko Takata

Design studio M. オーナー | Webディレクター兼デザイナー | Webデザイナー18年目 | 日本ノーコードウェブ制作推進委員会理事